冷食たこ焼きは安いので人気があります。たこと同じ頭足類であるイカ墨を使っている料理は数多くあります。かつては、食用として扱われてはいませんでした。しかし、近年になって食用として人気が高まっています。その理由について知っておきましょう。こちらでは、イカ墨とタコ墨の違いについてご紹介いたしますので、ぜひご確認ください。

イカ墨パスタなど、イカ墨を使った料理は数多くあります。しかし、料理に使われるようになったのは1990年ごろであり、それまでは処分されていました。黒い液体は得体がしれないものと思われており、誰も食べようとはしなかったようです。

一方で、古代のローマではコウイカの墨を使ってインクを作っていたとされています。イカ墨自体は活用されていましたが、食用ではなかったのです。今では、そこまでマイナーな食材ではありません。抵抗感を覚える方も少なくなってきていると思います。

そんなイカ墨が日本で使われるようになったきっかけは、私たちの体によい影響を与える成分が含まれていると学会で発表されたからです。それをキッカケにブームが起こりました。研究はさらに進み、イカ墨には優れた栄養成分が多く含まれているのがわかっています。こういった研究が進んだのをきっかけにして、広く使われるようになったのです。

どのような存在かわからないからこそ、今までは処分されてきました。しかし、研究が進むにつれてその実態が明らかになってきています。いい成分が含まれているのはもちろんですが、何より正体が明らかになったということが大きいのでしょう。それまでの人々が抱いていた不信感を払拭することができたのです。その結果、料理に使われ、愛されるようになっていきました。

イカ墨は研究が進むにつれて正体が明らかになり、広く使われるようになりました。これに対し、タコ墨は料理で使われていません。使われるケースもありますが、非常に少ないです。この差は何なのでしょうか。

その理由は毒素にあります。タコは敵に襲撃を受けると、相手に墨を吹きかけるという性質があります。墨を相手に吹きかけて姿をくらまし、その間に逃げるというわけです。そして研究が進むにつれ、このタコ墨に天敵であるウツボの臭覚を麻痺させたり、カニの感覚を狂わせたりする働きがあることがわかってきました。毒素が強いことが証明されたのです。

また、日本のタコは輸入したものが多いです。輸入したタコは内臓がほとんど除去されているため、そもそも墨が残っているタコが少ないです。これもタコ墨が使われない理由といえます。

他にはタコの墨袋の位置にも原因があるといわれています。タコの墨袋はイカと比べて奥まったところにあります。そのため、捌くのに手間がかかるのです。イカと比べて簡単に使用できるようなものではないということです。また、イカ墨と比べるとタコ墨の量は少ないため、仮に採取することができたとしても、十分な量を確保することができない可能性があります。

これらの理由によって、タコ墨は料理に使われていないのです。最初にも述べたように、タコ墨を料理で使うケースもゼロではありません。しかし、イカ墨と比べて扱いにくい食材であることは間違いないです。
イカ墨とタコ墨は似ていますが、全く違う性質を有している食材なのです。

イカ墨とタコ墨の性質は全く違うものです。タコ墨は料理に使われるケースはほぼありません。もし、タコ墨の料理を見かけたのなら、あまり食べられる機会はないですから一度食べてみてください。イカ墨よりも旨味成分は豊富に含まれているので、味わいは絶品です。

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